見出し画像

何をしてもこじれる状況からの逆転劇

新卒で銀行に入行した1年目、新橋支店に配属された23歳の頃に経験したお話です。

預金・為替・融資業務を経験したあとに、融資先の従業員さんへの住宅ローンを担当することになりました。

営業ノルマもある中私なりに頑張っていましたが、ローンをお申込みいただいたお客様との関係性が上手くいかないことも中にはありました。

お客様と電話でお話しをしても無意識の内に失礼な物言いをしてしまっていて、お客様を一層怒らせて、その上怒鳴られてしまう始末です。

何をしてもこじれていく状況に、見かねた上司がこう言いました。


「一度会いに行ってこい」


正直、行きたくなかったです。
そもそも営業、好きじゃないし…。

そんなことを想いながら、当日外回りに出た先で、そのお客様との約束の時間が迫り、直前までうじうじしていました。

「またこの前みたいに怒鳴られちゃうかな…」
「このまま、とんずらしちゃおうかな…」

とか真剣に考えるくらい怖かったです。

ですが、そのお客様に会うと思いがけず歓迎してくれたのです。

住宅ローンの説明からの流れで、お客様が購入を検討されているお家のこだわりポイントなどを聞いているうちに、さらに雰囲気がほぐれていきました。

ちょっと血の気が多い方でしたが、話している内にお客様にも笑顔が出てきてて、気の良いお客様だと感じる事ができました。




 
泣きそうな顔で支店を出たのに笑顔で戻ってきた私に、上司はどや顔で言いました。

「こういう時は会って、話すんだよ。」

この時のことは、今でも折に触れて思い出します。

「人と会って話す」というのは思っている以上のインパクトがあるのだ、と。

身をもって学びました。

なので、今でも意思疎通が上手くいくか微妙な時などは、メールだけでなくお電話でもお話しするようにしています。

お電話でも上手く伝わらない時は、Zoomなどを活用しながらなるべく顔を見てお話しすることを心がけています。

そうはいっても、今でもお客様と会うよりも条文を読んでいるほうが好きな内向的な私です。

性格はあまり変わらないけど、いざとなったら「会って、話すんだよ」

私が成長を感じた、大事な言葉です。